今回は、スタイリッシュなのにお尻に優しいサドルのご紹介です。通常、スタイリッシュなサドルは軽量で硬めに作られているものが多いです。軽量化が最優先され、振動吸収など乗り味が犠牲となってしまい、結果としてお尻が痛くなりやすいです(柔らか過ぎてもお尻は痛くなります)。
しかし、今回ご紹介するアスチュートのサドルは、絶妙な柔らかさを実現しているのに見た目がスタイリッシュです。
知り合いのローディーが愛用しているアスチュートのサドル(SKYLINEモデル)を10日間くらい使用してみたところ、使い心地がとても良く気に入ってしまいました。
私が購入したサドルは、アスチュートの「スカイライト VT ピラルガ」というモデルです。
お尻の痛みに悩む人は多い
ロードバイクをはじめて多くの人が『お尻が痛い』と悩みます。
私も、ロードバイクを始めた当初はお尻が痛くてどうしようもありませんでした。
お尻の痛みにもパターンがあります。代表的なパターンは下記のとおりかと思います。
・お尻の骨(座骨)がサドルに圧迫されて痛い
・尿道がサドルに圧迫されて痛い
・太ももからお尻にかけてサドルに擦れて痛い
上記のように痛みも様々ですが、私の場合は、まずは尿道の根本あたりが痛かったです。
尿道の痛みの原因としては、
①骨盤を寝かし過ぎている
②お尻に体重をかけ過ぎている
③サドルに乗る位置が適正でない
④サドルそのものが合っていない
上記のとおり、尿道が痛くなる原因は色々考えられますが、サドル以外にも痛みの原因があるかもしれないことを知っておいてください。単にサドルが痛みの原因とは限りません。これを理解しておかないと、永遠にケツ痛からは解放されません。
私の場合は、サドルに対する骨盤の角度やサドルへの体重のかけ方などを見直したうえで、穴あきサドルに買い替えたところ、尿道への圧迫はほとんどなくなりました。
愛用していたサドル「Selle Italia Max Flite Gel Flow」の欠点
ケツ痛から解放されるために、私が最後に行き着いたサドルはセライタリア『マックス フライト ジェル フロー』でした。このサドルの良さについては、こちら↓↓↓の記事をご参照ください。
roadbike-chukemaru.hatenablog.jp
セライタリアのサドルについては、柔らかい作りなのにペタッと潰れずに反発力もあり、座り心地は気に入っていたのですが、どうしても見た目がもっさりしているので、シルエットが美しくないです。それから重量が290gと重いです(見た感じも重いです)。また、耐えがたい痛みではありませんが、100km以上のロングライドになると、座骨が若干痛くなります。おそらく、サドルの穴が必要以上に大きく、かつ、サドル形状が丸みを帯びているため、必要以上に座骨に荷重がかかってしまっているのではないかと推測されます。コスパを考えると優秀なサドルですが、見た目と重量に不満を感じてきましたので、新たにサドルを買おうと思います。
アスチュートとは?
Astute(アスチュート)は、製品とパーツの生産・デザイン・開発をすべてイタリアで行っています。サドルをデザインするにあたり、科学的データを取り入れ、他のブランド製サドルとの比較テストによって、アスチュートの特徴が優れていることも実証されているとのこと(アスチュート公式サイト参照)。
アスチュートのサドルは、大別するとSKYシリーズとSTARシリーズに分けられます。
SKYシリーズは、サドルがフラット形状になっており、骨盤への負担を軽減し、中・長距離のライドに適しています。
STARシリーズは、サドルがラウンド形状になっており、アグレッシブなアスリート向きで、短・中距離のレース等に適しています。
個々の製品ごとにみても、コンフォート性(快適性)と振動吸収性はSKYシリーズの方が優れおり、レース性はSTARシリーズの方が優れていることが分かります。
私の場合は、ケツ痛になりやすいので、快適性を重視しSKYシリーズからサドルを選択したいと考えました。SKYシリーズは、下表のとおりさらに3つのモデルに分かれます。
モデル名 | SKYCARB | SKYLITE | SKYLINE |
形状 | フラット形状 | ||
カバー | プレミアム・イタリアン・マイクロファイバー | ||
パッド | 3層密度プログレッシブ・メモリー・フォーム | ||
シェル(内側) | フルカーボン | ナイロンカーボン | |
シェル(外側) | フルカーボン | ナイロンソフトタッチorフルオ | ナイロンソフトタッチorフルオ |
レール | フルカーボン | フルカーボン | チタン |
価格は、SKYCARB>SKYLITE>SKYLINEとなります。気になるのが快適性ですが、実際に取扱店舗(Y’sROAD)を訪問したところ、快適性と振動吸収性に関しては、SKYCARBよりもSKYLITEとSKYLINEの方が優れているとのことでした。確かにカタログを見ると、SKYCARBは快適性と振動吸収性が星4.5個であるのに対し、SKYLIEとSKYLINEは星5個でした。
SKYLITEとSKYLINEの違いは、レールがカーボンかチタンだけの違いのみです。
せっかくなので、カーボンレールであるSKYLITEを購入することに決めました。
SKYLITE(スカイライト)でも種類がたくさんある
さて、購入するサドルをSKYLITE(スカイライト)に決定したわけですが、実はSKYLITEモデルといっても6種類の商品があります。下表のとおりSKYLITEの商品を一覧にしました。
商品名 | 重量 | サイズ | 穴 | 定価(税込) |
SKYLITE VT | 185g | 135×275mm | 穴あき | 32,560円 |
SKYLITE SR | 190g | 135×275mm | 31,350円 | |
SKYLITE VT FLUO | 185g | 135×275mm | 穴あき | 33,550円 |
SKYLITE VT I-PROF | 185g | 135×275mm | 穴あき | 35,200円 |
SKYLITE SR I-PROF | 190g | 135×275mm | 34,100円 | |
SKYLITE VT PILARGA | 190g | 145×275mm | 穴あき | 32,560円 |
※定価は消費税10%で記載しています。
VTというのは「穴あきサドル」を示しています。
FLUOというのは「蛍光」という意味です。
I-PROFというのは、プロチーム供給用にブランドロゴが入ったレプリカモデルです。性能自体に差異はないようです。
PILARGAというのは唯一の幅広モデルで、幅が145mmとレギュラーより10mm広いです。
上記のとおりSKYLITEにも6種類ラインナップがありますが、穴あきがいいのか、幅広がいいのかの2点だけ決めれば、どれを購入すればよいか決まるかと思います。私の場合は、145mmの幅広タイプであるPILARGA(ピラルガ)が自分には合っていました。10日間ほどテストライドしました。
アスチュート スカイライト VT ピラルガを使ってみた感想
100km以上のロングライドを5回ほど行いましたので、感想をレポートします。結果から言いますと、かなり快適です。柔らかすぎず硬すぎず、絶妙な乗り心地です。100kmくらいまではお尻はまったく痛くなりません。120kmくらい走ると若干お尻(座骨)が痛くなりますが、許容範囲です。ちなみに、今まで使っていた「セライタリア マックス フライト ジェル フロー」も快適でしたが、それよりもスカイライトの方が快適ですし、痛みもさらに軽減されました(詳細については後述しています)。もうホントに私のサドルはコレで決まりです。重量も190gでスタイリッシュな作りなのにこんなに快適なサドルが他にあるのでしょうか。
なお、サドル自体がフラット形状なので、当初は前下がり1度で試しましたがお尻が前に滑ってしまうので、水平0度にしましたがそれでも前に滑るので、現在は前上がり1度で調整しています。
☝穴のサイズがちょうどいいです。穴が大き過ぎるとサドルは、穴の周辺が痛む可能性が出てきますが、今のところスカイライトのサドルでは穴の周辺が痛むことはありません。
☝横から見るとこんな感じです。後輪にスタンドを付けて写真を撮ってしまった都合で前下がりになっていますが、実際は前上がり1度で調整しています。快適なサドルにしてはレース用サドルのようにかなり薄い形状かと思います。
☝こんなにスタイリッシュなのになぜこんなにも快適な乗り心地を実現できるのか感心します。
☝SKYLITE(スカイライト)は、レールがカーボンになります。
☝指で強く押さないと凹みません。乗ってみるまでは、ちょっと硬いような気もしていましたが、いざ乗ってみるとちょうどいい硬さです。決して快適性を失うことのないクッション性です。
☝サドル前方はかなり柔らかいです。ヒルクライム時にお尻を前方に移動するローディーにとってはかなり快適かと思います。
セライタリア MAX FLITE GEL FLOWとの比較
スカイライトの重量は190gとセライタリア(MAX FLITE GEL FLOW)の290gより100gも軽量です。とにかく軽いです。また、写真からも分かるように見た目もかなりスタイリッシュです。
座骨付近の痛みですが、100km以上のロングライドになると若干痛みますが、セライタリアのサドルよりも痛みは軽減されているように感じます。サドル自体はスカイライトの方が硬いですが、ほど良い硬さとフラット形状が圧迫を軽減しているのだと思いますが、ケツ痛については個人差がありますので、参考までにしてください。
価格差もかなりありますので当然とも言えますが、見た目・重量・快適性すべてにおいてスカイライトが上回っています。なお、快適性についてはそんなに大差があるわけではなく、微々たる差でスカイライトが上回っていると感じます。
以上、アスチュートのサドルのインプレッションを書きました。
サドルは、軽量さと快適性は反比例の関係になりがちですが、アスチュートのサドルは軽量かつスタイリッシュなのにお尻に優しいサドルでした。決して快適性を犠牲にしていません。少し金額は高いですが、レースからロングライドまでオールマイティに使えることを考慮すればいい買い物だと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。