ロードバイクの必須ツールといえば、六角レンチです。ちなみに、ロードバイク業界では、六角レンチのことを「アーレンキー」といいます。
ロードバイクを始めると同時に皆さんが購入するのが、アーレンキーのツールセットだと思います。サドルやハンドルのポジション調整をするうえで、アーレンキー(六角レンチ)は絶対に必要です。
カーボンとトルクの関係
最近、サドルを新しく購入しましたが、レール部分がカーボン素材になります。カーボンに関しては、アーレンキーでの締め付けの強さに注意が必要です。
☝サドルレールの写真を見ると、6Nmと書いてあります。これは何かというと、アーレンキーによるレールを締め付けるパワーの上限が6Nmということを意味します。「Nm」という単位は「ニュートンメーター」と呼びますが、日常生活では馴染みがなく、一体どれくらいの力加減で締め付ければいいのか分からないと思います。もし、6Nmを超えた負荷をかけてしまうと、カーボンが破損する恐れがありますので注意が必要です。
今までは何となく感覚で締め付けていましたが、カーボンレールのサドルに買い替えたのをきっかけに、トルクというものを意識してみようと思います。
トルクレンチの必要性
カーボン製品を扱う以上は、アーレンキーでの締め付けの際にトルクを意識しなければならないとご説明しました。
では、実際にトルクをどのようにコントロールすればよいのかという話になります。
そこで今回ご紹介するのが、トピークの『ナノ トルクボックス 5Nm』です。
使い方は後述しますが、5Nmのトルクに達すると『カチッ』という音により知らせてくれるというツールになります。このトルクのお知らせ機能により、カーボンに過度な負荷をかけることを防止できます。なお、トルクの強さについては、4Nm、5Nm、6Nmの3種類がラインナップされています。私のサドルレールの最大トルクは6Nmですが、かといって6Nmのトルクレンチを購入することはありません。個人差はあると思いますが、最大6Nmのところを6Nmギリギリで締め付けるローディーは少ないのではないでしょうか。実際に使ってみると分かりますが、最大6Nmのところを5Nmで締め付ければ十分だと思います。私は、1つの目安としてトルクを把握するために5Nmのトルクレンチを購入しました。
トルクレンチは、一般的には高価なものが多いですが、トピークのナノボックスシリーズは定価2,500円とお買い得です。カーボンを損傷してしまうリスクを考えれば、保険のような意味でトルクレンチを購入しても良いと思います。だって、過度なトルクによってサドルのカーボンレールにヒビが入ってしまったら、それこそ数万円の損失ですからね。
トルクレンチの比較商品
トピークの「ナノ トルクボックス」を購入するにあたり、下記の商品も検討したのでご紹介します。
☝メーカーは同じトピークですが、こちらは「コンボトルク レンチ&ビット セット」という商品になります。トルクを黄色い表示盤で目視する単純明快な仕組みです。価格は安いですが、持ち運びが不便でないかと思い購入には至りませんでしたが、特に持ち運びを想定していないのであればイイかもしれません。
☝こちらも同じくトピークですが、ナノトルクボックスとの違いは、締め付けのためのバーが付属していることです。 このバーの中にはツールビットが2つ収納できますので携帯性にも優れています。ただ、定価3,700円とナノトルクボックス(定価2,500円)より高いです。それから、すでにアーレンキーのツールを持っているのであれば、ナノトルクボックスを買えば済む話であり、逆にバー本体が不要という方もいると思います。私もそのうちの一人であり、すでにアーレンキーのツールは持っており、欲しいのはトルクビットだけでしたので、「ナノトルクバー」ではなく「ナノトルクボックス」を購入したわけです。
トピーク以外だと、スペシャライズドの「トルクレンチ」という商品も候補になると思います。スペシャライズドということもあってカッコイイのですが、形状が太いため、サドル調整時に使いにくいのではないか(シートポストに干渉するのではないか)と心配になり、購入には至りませんでした。
『ナノ トルクボックス 5Nm』を使ってみた感想
☝箱に入っている状態はこんな感じです。一見すると「何に使うものなの?」というような地味な商品です。
☝ボックスを開けると、トルクビット(黄色いやつ)が1つ、ツールビットが5つ入っています。ツールビットは、六角レンチが3、4、5mm、トルクス(六角星形)がT20、T25と5種類となります。
☝使い方としては、自分の持っているアーレンキー(5mmの六角レンチ)に取付けて使用します。まず、5mmの六角レンチにトルクビット(黄色いやつ)を差し込みます。磁石式になっているので、簡単に差込みできますし、落下するリスクもありません。
☝トルクビット(黄色いやつ)にツールビットを差し込めば準備完了です。ちなみに、トルクビットもツールビットも磁石になっていますので、落下して紛失するなどの心配はありません。磁石式になっているのはとても使いやすいのでプラス評価です。
実際に使ってみましたが、多くのユーザーがおっしゃる通り、5Nmに達したときの「カチッ」という音がかなり小さいです。あれ?いま音したのかな?というくらい音が小さいです。耳を澄まして聞いていないと気づかないレベルです。この点はマイナス評価です。あとは、特に不満はありません。
トルクレンチを使ってみて、自分の締め付けにまだまだ余裕があることが分かりました。トルク機能は必須アイテムではありませんが、カーボン製のアイテムをもっているローディは検討してみてはいかがでしょうか。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。