ミニベロのなかでも憧れの地位を築いている「ブロンプトン」と「Birdy(旧BD-1)」。
購入の検討においてよく比較される両車ですが、「のんびり乗りたいならブロンプトン、よりスポーティに乗りたいならbirdy」という印象があります。
今回、私自身がミニベロ(そのなかでも折り畳み自転車)が欲しくなって早数か月・・・ブロンプトンかbirdyといった高価な自転車が欲しいこの頃ですが、どうしてもどちらを買うか、また、どのモデルを買うか悩んでしまい決断できません。
多くのブロンプトンオーナー、あるいはbirdyオーナーが「好きな方を買ったらいい」とか「用途によって選択したらいい」というアドバイスをしてくれますが、どうにも決断できません。
なぜなら、通勤に使うこともあれば、ちょっとした一人旅に使うことも考えてますし、時間に余裕があればゆっくり走りたいし、逆に急いで走るときもあります。どのように乗るかなんて、時と場合によって変わります。
今回は、自分の考えを整理し、両車の比較も含めて、折り畳み自転車の購入を決断したいと思います。折畳み自転車もブロンプトンやbirdyになると20万円くらいしますから、十分に納得したうえで購入したいものです。この記事が少しでも皆さんのお役立てれば嬉しいです。
- 折り畳み自転車にこだわる理由
- 候補をブロンプトンとBirdyに絞り込んだ経緯
- ブロンプトンとBirdyのスペックを比較してみた
- 走行性能に差はあるのか?
- 16インチと18インチに差はあるのか?
- 乗車スタンスに違いはあるか?
- サイクルショップの店主からアドバイス
- メンテナンスはどっちが有利か?
- カスタムは想定しているか?
- 日常的な使い道、駐輪場所、盗難のリスクを考える
- あらためてミニベロに何を求めるのか考える・・・ブロンプトンの購入決断
- ブロンプトンならどのモデルを選ぶか?
- M6L ブラックエディション 2018年モデル
- 実際にブロンプトンを手にして思うこと
- 中古ブロンプトンのまとめ
折り畳み自転車にこだわる理由
現在、私はロードバイク1台、マウンテンバイク2台、折り畳み自転車1台を所有しています。
折り畳み自転車に関して言えば、約10年前まで20インチサイズを所有していました。ミニベロといえば、もっとも普及しているサイズが20インチです。小さくて、置き場所に困らない、折り畳めるものもある、お洒落なデザイン。世間一般ではミニベロはそんな印象かと思います。実際のところ、私も折り畳み自転車なら持ち運びもできるという利便性を魅力に感じて20インチのミニベロを購入しました。
しかし、20インチって実は想像以上に大きいです。
一般的なママチャリが26インチ程度ですから、それに比べれば小さいですが、「持ち運ぶ」ということを前提にすると、20インチは大きいです。私自身が経験していますが、20インチの自転車を持ち運ぶのは大変です。
特に持ち運びを想定していないのであれば、20インチのミニベロを選択するのはベターかと思います。
しかし、私の場合は、輪行(電車やバスへの持ち運び)や自動車に気軽に積み込んだり、年に数回は飛行機にも荷物として持ち運びたいのです。
このように、自転車に乗ることだけでなく、「自転車を運ぶ」ことを前提とするならば、20インチの折り畳み自転車では苦労すると思います。
そのような経験を踏まえて、次に私が購入したのは、14インチのルノーウルトラライト7という折り畳み自転車です。価格、折りたたみ寸法などを踏まえると、コスパ最強の自転車です。詳細は↓こちらの記事↓をご覧ください。
roadbike-chukemaru.hatenablog.jp
ルノーウルトラライト7は総合的にみれば非常に良い自転車であり、私の日常生活にしっかり溶け込んでくれています。高価なミニベロ ではないため、雑に扱えるところも利点だと思います。
ただ、ここ数年、1泊~2泊の一人旅を趣味とする私にとって、旅のお供にもう1台ミニベロが欲しくなったのです。乗っているだけで楽しい気分になるような新しい折り畳み自転車が欲しくなってしまったのです。
候補をブロンプトンとBirdyに絞り込んだ経緯
今回、折り畳み自転車を購入するにあたり、特に予算の上限は設けません。ただ、あまりにも高価な自転車となれば、盗難のリスクも高まりますし、駐輪してその場を離れるたびにビクビクすることになります。そうすると、日常生活で自転車に乗ることを躊躇することになります。このように自転車に乗る機会が減ってしまっては意味がありませんので、せいぜい20万円くらいが上限といったところでしょうか。
ミニベロを購入するにあたっての条件というか、重要な検討ポイントを4つ挙げます。
①折りたたみができること(持ち運びに優れていること)
②変速機能が備わっていること(シングルスピードは除外します)
③メンテナンスしてくれるサイクルショップが近所にあること
④定評があること(定評がある=高品質である可能性が高い)
上記4つの項目について情報収集をした結果、下記の5車種が気になりました。
【ブロンプトン】
出典:(LINEUP(ラインナップ)|BROMPTON(ブロンプトン)|ミズタニ自転車株式会社)
【Birdy】
出典:(birdy Classic | Pacific Cycles Japan)
【アレックスモールトン】
出典:(AM-GT Mk.3、AM-20 Mk.2、AM-SPEED、SUPER SPEED、AM-SPORTIF|MODEL|ミニベロ/小径車ならMOULTON(モールトン自転車)|ダイナベクター)
【タルタルーガ】
出典:(Type SPORT GT)
【タイレル】
出典:(製品紹介 | Tyrell Bike | ロードサイクルブランドのニューカマーTYRELL(タイレル) 有限会社 アイヴ エモーション)
個人的にデザインが好きなのは、タルタルーガです。(個性的で、機能性を備えたデザイン、人とかぶらないであろうデザインが好きです。)
しかし、すぐにブロンプトンとbirdyの2車に絞り込みました。
理由として、アレックスモールトンは価格がかなり高いうえに、折畳み(正確に言うとフレームをバラす)の作業が面倒なので、候補から外しました。
また、タルタルーガとタイレルは走行性能は期待できるものの、やはり私の愛用車であるルノーウルトラライト7と比べて格段に折りたたみ寸法が大きくなってしまうことが、購入意欲を衰退させました。
ミニベロの検討の重要ポイントとして、どうしても輪行で持ち運びするという条件は最優先事項です。行きは自転車、帰りは電車といった利用をためらいもなく実行させてくれる自転車が欲しいのです。「持ち運びが面倒だ」と思ったら、きっと輪行の機会はどんどん少なくなっていきます。このような経験はロードバイクの輪行で何度もしています(ロードバイクの輪行はあまりに面倒過ぎて、現在は、ヤマト便での配送を活用している始末です)。
なので、当たり前のように輪行を可能とする自転車が欲しいのです。そのような思いから、今回は持ち運びに優れているかどうかが大きなポイントになります。
ということで、早々にブロンプトンとBirdyが選択肢として残りました。
ブロンプトンとBirdyのスペックを比較してみた
さて、ブロンプトンとBirdyの二択となったわけですが、この2車でも様々はモデルがあります。ブロンプトンは7種、Birdyは4種のラインナップがあります。ここで一例として、ブロンプトンM6Lと、Birdy monocopue airのスペックを簡単に比較しておきます。
車種 | ブロンプトンM6L | Birdy monocopue air |
変速 | 6speed | 9speed |
重量 | 11.8kg | 9.87kg(ペダル含まず) |
タイヤサイズ | 16インチ | 18インチ |
折畳み寸法 | H580×W585×D300 | H600×W720×D340 |
価格(税込) | 209,000円 | 203,500円 |
気になる価格ですが、どちらも約20万円と高価です。もはや5,500円の差で購入を決めるのは意味を持ちません。
それぞれの特徴からメリットとデメリットを見ていきます。
ブロンプトン | Birdy | |
メリット | ・折りたたみ寸法が圧倒的に小さい | ・重量が軽い(monocoque airで9.87kg)ただし、ペダル(軽量なもので約350g)を含めれば全体で約10.2kg |
デメリット | ・重量が重い(S2Lで10.8kg、M6Lで11.8kg)これは、女性は持ち運びに苦労すると思います。 | ・折りたたみ寸法がブロンプトンと比べて大きな差があります。ただし、もともと18インチであることや20インチ(406)へのインチアップが可能であることを踏まえれば、個人的には許容範囲だと思います。 |
上記の表を見れば分かるように、折りたたみ寸法と重量を見たときに、折りたたみ寸法ではブロンプトンに、重量ではBirdyに軍配があがります。ただ、個人的には決定的な差は感じません。
走行性能に差はあるのか?
ここで、ペダル1回転あたりの走行距離を見ていこうと思います。なお、走行性能の検証については、当然ながら、ペダル1回転あたりの走行距離のみで判断できるものではなく、ジオメトリーやクランク長さなどあらゆる要素から総合的に評価するものですが、ここではペダル1回転あたりの走行距離に着目してみます。
【ブロンプトン6速】
2.64 3.25 4.14 5.09 6.49 7.98 ※カタログ値より
【Birdy9速】
2.16 2.47 2.88 3.29 3.84 4.32 4.94 5.76 6.28
(タイヤ周長133cm F歯数:52 R歯数:11,12,14,16,18,21,24,28,32で計算)
上記の数値を見て驚くことは、ブロンプトンが6速、Birdyが9速とBirdyの方が変速数が多いのにかかわらず、走行距離の幅(レシオ)はブロンプトンに軍配があがります。これはメリットでもありますが、実はデメリットでもあります。
まず、高速帯の変速として、ブロンプトンの7.98mというのは、下り坂で漕がない限り使用する機会はないと思います。
次に、最も軽いギアについては、上り坂が続いたり、10%の勾配を登っていくとなれば、活用の機会はあります(参考までにロードバイクの1番軽いギア(フロント36T、リア30T)でペダル1回転あたり約2.53mとなります(実際にはタイヤ周長に差がますので、トルクを18インチ(タイヤ周長133cm)に単純に換算すると約1.59mとかなり軽いです)。
そうなると、ブロンプトンにしてもBirdyにしても1番軽いギアの設定については、坂を登る機会があるならば、使用頻度はそれなりにあると思います。
また、平地で使用するギアは4~5m程度になりますので、基本的には2種類のギアしか使わないと思います。
個人的に、ギア比に関してはBirdyの方が好みです。変速数が多いうえにギア幅が狭いので、ちょうどよいギアが見つけやすいためです。ブロンプトンは6速でありながら、ギア幅が大きいので、スピードにギアを合わせるというよりは、ギアにスピードを合わせることになると思います。そもそもブロンプトンはスピードを求めた走行性能を追求したつくりではないので、この点についてはBirdyに劣るかと思います。
16インチと18インチに差はあるのか?
ブロンプトンは16インチ、Birdyは18インチであり、一見するとタイヤ1回転あたりの走行距離に大きな差が生じそうですが、Birdyのタイヤ(1.8×1.25 ※IRC ROAD LITE for BD-1の場合)で周長1.35m、ブロンプトンのタイヤ(1.6×1 3/8 ※グリーンラベルの場合)で周長1.34mとなり、タイヤ周長の差はわずか1cmとなります。
この理由としては、ブロンプトンのタイヤは16インチでも直径349サイズを採用していることにあります(16インチには直径305mmと349mmの2種類のタイヤサイズがあります)。
18インチのタイヤサイズは直径355mmですから、周長の差はわずか6mmです。
乗車スタンスに違いはあるか?
乗車スタンスですが、ブロンプトンはハンドル形状が3種類あります。
・Mハンドル(ブロンプトンと言えばMハンドルという伝統的な印象)
・Sハンドル(シンプルかつスポーティ)
・Pハンドル(持ち手多数、けっこう目立ちます)
Birdyはフラットバーの1択ですので、ブロンプトンで言えばSハンドルがもっとも乗車スタンスが近いと思います。スポーティに乗りたいのであればSハンドルが適している思います(しかし、結果的に私はMハンドルを選択することになります。詳しくは後半で説明します)。
サイクルショップの店主からアドバイス
私がよく通っているサイクルショップの店主にも、ブロンプトンかBirdyのどちらを購入するか迷っていると相談しましたが、「50kmくらいまでならブロンプトンの方が乗っていて楽かもしれないが、それ以上のロングライドとなるとBirdyを選択した方がいいのでは?20インチ化も容易だし。ただ、ロードバイクを乗っているサイクリストからすれば、よりスピーディなBirdyであっても、所詮ミニベロの域であるということはよく理解しておいた方がいい。あまり期待しすぎると「こんなはずじゃなかった」と後悔する羽目になる」とのアドバイスをいただきました。
このアドバイスはけっこう影響力がありまして、確かにミニベロにスピード性能を求めることが全てではないと考え直しました。
メンテナンスはどっちが有利か?
個人的には、ロードバイクにも乗っていますし、外装変速機であることや、タイヤがクイックリリースできる点で、印象としてはBirdyに親近感を覚えます。しかし、外装変速機の調整などは私一人ではできませんし、ブロンプトンの内装変速機の方が日常的なメンテナンスの手間はかからないそうです(それが理由で内装変速機を採用しているとも言われています)。
ブロンプトンのラインナップですが、2速(外装変速)、3速(内装変速)、6速(外装変速と内装変速の組合せ)と3種類あり、もっとも手間いらずなのは3速(内装変速)ですが、個人的に3速は購入する気はありません。
ブロンプトンなら2速か6速を選びたいです(理由については後半で説明します)。
よって、変速機のメンテについては、ドローとします。
次に、パンクした場合の対応ですが、これは明らかにBirdyが有利です。Birdyは前輪、後輪ともにクイック仕様なので、取り外しが数秒で可能ですし、ロードバイクと同じ要領でチューブ交換ができます。
一方で、ブロンプトンはタイヤ回りがボルト締めです。さらに後輪を外す場合は内装変速機の調整も必要となり、旅先や外出先で自分でパンク修理を行うのは困難かと思います。
ということで、自分でメンテナンスするならBirdyに軍配があがります。
ただ、現在は便利なモノがありまして、クイックショットでいくらでも対応できます(仏式チューブにする必要があります)。また、私はロードバイクですら今までパンクした経験がないので、日頃から空気圧やタイヤの消耗を確認していれば、そこまでこだわることもないと感じます。ブロンプトンでパンクしてしまったときは、公共交通で移動するか、またはクイックショットでひとまず対応し、サイクルショップへ持っていくと割り切ることにします。
カスタムは想定しているか?
ブロンプトンもBirdyもカスタムパーツはとても充実しています。ただし、カスタムに足を踏み入れてしまうと果てしないので、今のところはノーマルで乗ることを前提としています。
今回の記事では、カスタムには触れませんのでご了承ください。
日常的な使い道、駐輪場所、盗難のリスクを考える
さて、個々の項目について自分なりに整理してきましたが、折りたたみ寸法ではブロンプトン、走行性能ではBirdyが自分には合っているかと思います。
しかし、これまで自分なりに項目別に両車を比較してきたものの、どちらを購入するか納得のいく結論は出せません。
ここで、また違う観点からモノゴトを見てみようと思います。
ブロンプトン、Birdyともに約20万円という価格設定ですが、今回、約20万円のミニベロを買ったところで、本当に20万円以上の価値を見出せるのだろうか?という点が気掛かりです。
想定している使い道として、通勤で週3日、休日はたぶん近場しか乗りません、一人旅での使用は年に1〜2回くらいです。
そうなると、費用対効果を考えた時に、私にとって20万円は高すぎます。
また、購入を決断するのにもう1つ踏ん切りがつかない理由として、盗難リスクが挙げられます。
自分の感覚として、そのコンパクトさからロードバイクよりもミニベロの方が盗難行為は容易かと思います(ただし、盗難後にバラ売りするなどの換金までを考えれば、ロードバイクの方が狙われるかもしれません)。
例えば、高級ミニベロでどこかに出かけて、駐輪したとして、「盗難されていないかなぁ。」と不安になるのはゴメンです。本当にそれだけはゴメンです。そういう不安な精神状態になること自体がイヤです。
ということで、私が出した結論は、中古のミニベロを購入するということです。
あまり思い入れが強くならないように中古車を購入し、そのうえで頑丈な鍵をかければ、盗難に対する不安な心情は少なからず低減します。
ちなみに、私がミニベロの盗難対策のために購入した自転車ロックは、ABUS Bordo 6000(900mm)という商品です。
これについては、またの機会に感想を書きたいと思いますが、盗難防止効果はかなり期待できます。しかし、とても重いので、軽量化を求めるロードバイクでの利用には使い勝手の面で向かないと思います。
話が少し逸れてしまいましたが、とりあえず中古ミニベロを買って様子を見てみようと思います。
あらためてミニベロに何を求めるのか考える・・・ブロンプトンの購入決断
これは、趣味としてロードバイクに乗っている自分の意見ですが、ロードバイクに乗るときは、やはりスピードを求めてしまいます。速度、ケイデンスなど数字をかなり意識します。スピードを求めているので、せかせかと走っています。それはそれでいいんです。ロードバイクにスピード性能を求めるのは当然のことであり、むしろ、ゆっくり乗りたいからロードバイクに乗っているという方に会ったことがありません。
その反動からか、ミニベロに乗っているときは、あまり急がず、ゆっくり気持ちにゆとりをもって進んでいきたい。そういったモチベーションで乗りたいです。
話がかなり大きくなりますが、人生観として、ここ最近、時間に追われた日々を過ごしてきました。もう少し、今この時をゆっくり味わいたいという思いがあり、見た目においても、性能においても、ゆとり感のあるブロンプトンを選択することにしました。
たぶん、今の自分に合っているのはBirdyかと思います。しかし、自分に合っているのはBirdyでも、自分が求めているもの、今の自分に足りないものは大らかな心です。
今の自分から一皮剥けるために、あえて今の自分の性格に合わないブロンプトンを買おうと思います。ブロンプトンで少し和やかな気持ちで自転車に乗ってみたいと思います。
補足ですが、Birdyでもゆったり乗ろうと思えば乗れるんですよ(実際、乗り比べるとBirdyの方がソフトです)。しかし、私の性格だとBirdyに乗ってしまうとスピードを出したくなってしまうと思います。決してBirdyユーザーを批判しているわけではありませんのでご了承ください。
ブロンプトンならどのモデルを選ぶか?
さて、ブロンプトンを買うことに決めたわけですが、ブロンプトンのどのモデルを買うか、検討していきたいと思います。
まずは、変速の選択から検討します。ペダル1回転あたりの走行距離は下記のとおりです。
【6速モデル】
2.64 3.25 4.14 5.09 6.49 7.98
【3速モデル】
3.82 5.09 6.78
【2速モデル】
4.47 5.96
前半で少し触れましたが、平地で使用するギアは4〜5m程度になります。
そうすると、6速と2速については平地でも選択肢が2ギアありますが、3速については、平地において5.09の一択となります(6.78mはかなり重いです)。
主に自転車で走るのが平地なのにギアが一択の時点で、3速モデルは候補から外します。
また、ハンドル形状についてですが、ブロンプトンの購入理由でもある「ゆとりをもった走り」を求めていることから、より前傾姿勢となるSハンドルも候補対象から外します。
そうすると、2速モデルは通常はSハンドル仕様になります(オーダーやブラックエディションなど2速モデルMハンドル仕様もありますが、中古市場においてほとんど流通していません)。
以上から、消去法で6速モデルが残ります。高速域のギア(6.49 7.98)は必要ないとおもいますが、一方で上り坂を考慮すればやはり6速モデルが無難かと思います。
それから、6速モデルを選択するメリットがさらに2つあります。
一つは、リセール価格が高いことです。新品も同様ですが、中古市場においても6速モデルの需要が高いので、売値を考えると有利です。
二つめに、6速モデルを買っておけば、3速にすることも、2速にすることも容易です。サイクルショップで工賃のみで作業してくれます。
ということで、6速のMハンドルを購入しようと思います。
キャリアについては、あっても無くても構いません。見た目はキャリア無しの方がシンプルで好きですが、折り畳んだ状態でのコロコロや荷積みのメリットもありますので、今回は特にこだわりません。
今回の購入において重要なことは、中古車を買いますので、1年〜2年落ちで、なるべく状態の良いものを手に入れることです。
M6L ブラックエディション 2018年モデル
私が購入したブロンプトンは、2018年モデルのM6L ブラックエディションです。
1年落ちですが、中古ということもあり、安価で購入できました。 しかし、実際に配送されて実車を見てみると、それなりに使用感があり、汚れもありました。しかも、外装変速に難がある状態でした。皆さんも中古車を購入するにあたっては、ぜひメンテナンスの状態を事前に確認することをおすすめします。
ということで、まずはサイクルショップでメンテナンスしてもらいました(店主によれば、こんな状態で売るなんて無責任だと言っていました。部品交換は不要でしたが、ボルト締めが甘かったり、ギア調整されていなかったりという状況でしたので、今回しっかりメンテナンスしてもらいました)。
中古の自転車を購入する場合は、購入直後にサイクルショップでメンテナンスしてもらうことを強くおすすめします。事故になっては大変です。
そういった意味でも、やはり新品であろうと中古であろうと信頼できるサイクルショップで買うことの意義は大きいと思います(今回は予算などの都合で新品を断念しました)。
実際にブロンプトンを手にして思うこと
現在、主に通勤で使用しており、往復約20kmを走っています。試乗もしたうえで購入したため分かっていたことですが、正直言って、走行性能はクロスバイクには及びません。スピード感としては、マウンテンバイクと同じくらいです。冬の寒い時期に、汗をかかないくらいに頑張らずに走っていますが、平均時速は約17km/hといったところです。
1ヶ月くらい乗ってみて、良かった点について整理しました。
【折りたたみが楽】
これは、思っていた以上に楽です。まだ慣れていない私でさえ、20秒もかからずに折り畳めます。むしろ、折り畳まないでいる方が気持ち悪いくらいです。それくらい折りたたむ行為が苦ではないということです。
【折り畳んだ姿が美しい】
16インチながらH580mm×W585mm×D300mmというコンパクトさを実現しており、折りたたみ時のデザインに無駄がなく、もはや芸術品の域です。
【仕事場の自席隣に置けるほど小さい】
通勤に使用しているブロンプトンですが、はじめの頃は職場の駐輪場に置いていました(お座りポジションで駐輪していました)が、少し風の強い日に転倒してしまいましたので、それ以来、自分のデスクの隣に折り畳んで収納しています。職場の事務スペースに置いても邪魔にならないのは、本当に感動レベルです。
【16インチにしては柔らかい乗り心地】
私のミニベロ遍歴は、ドッペルギャンガーの20インチと、ルノーも14インチですが、ブロンプトンは今までのミニベロに比べて圧倒的に乗り味が柔らかいです(ちなみに、旧BD-1はもっと乗り味が柔らかいです。)。あまりキビキビしておらず、ママチャリのようなゆったりした感覚です。Mハンドルということもあり上体も起きていますので、スタンスも余裕があります。
(令和6年3月追記)ただ、旧BD-1と乗り心地を比べると、インチサイズの違いやサスペンションの効果もあり、BD-1の方が乗り心地は快適に感じます。特に段差を乗り越える際のショックや、巡航速度の維持の面ではBD-1に軍配が上がります。
【自転車の時間が楽しい】
購入前から分かっていたことですが、Birdyに比べてスピード性能は劣りますし、あまりスピードを求める自転車ではありません(ブロンプトンにもスピードを求めるのであれば、SハンドルやCHPT3モデルを選択するのがベターかと思います)。
今回、私はあえてMハンドルを選びました。ロードバイクとは違い、時間の感覚を感じないで、穏やかな気持ちで、風を感じ、景色を見ながらゆっくりと走ってみたいからです。
そんな贅沢なサイクルライフを求めてMハンドルのブロンプトンを買ったわけですが、今のところは心に余裕をもってサイクリングを楽しめています。これは、自転車の機能性の話ではなく、自身の人格が大きく左右するので、今後も心がけていきたいと思います。
また一方で、残念な点についても書いていきます。実際に一定期間乗ってみて気づいた点は下記のとおりです。
【お座りポジションが面倒】
一般的なスタンドであれば、手順として、
自転車から降りる
⇒スタンドを下ろす
⇒駐車位置に自転車を少し動かす、といった具合です。
しかし、ブロンプトンの場合は、一度お座りポジションをとってしまうと、その後に駐車位置を変更することができません。仮にお座りポジションにしたまま、駐車位置を動かすとなると、後輪をそのまま引きずることになります。これは注意が必要です。
☝︎お座りポジションをとると、コロコロで前後に動かすことはできますが、左右に動かすことができません。車体を持ち上げても後輪は地面に着いたままで、もはや引きずるしかありません。
また、私の場合、自宅の玄関で屋内保管していますが、家を出るときは、
玄関でブロンプトンを組み立て
⇒玄関のドアを開け
⇒ブロンプトンと一緒に外へ出て
⇒玄関ドアのカギを閉めるわけですが、玄関ドアを閉めるというちょっとした動作でさえ、後輪をクルッと回してお座りポジションをとらなければ、ブロンプトンから両手を離すことはできません。
この手間にはイラッとしてしまいました。
今は、家を出るときの手順を変えまして、玄関ドアを出るまで、ブロンプトンを折り畳んだ状態にしたまま外へ出るようにしています。また、ものの数秒だけブロンプトンを駐車させなければならない場合は、お座りさせずに、ブロンプトンを横倒しにすることもあります。
この問題を解消するには、キックスタンドを取り付けるしかありません。折りたたみに支障がなければ、キックスタンドをつけた方が使い勝手がはるかに向上するはずです。
【足回りの音が気になる】
微音ではありますが、チェーンでしょうか、キュルキュルという音や、なんか擦れるようなカサカサといった音がします。一度気になると、どんどん気になります。ブロンプトンの正規取扱店でも見てもらいましたが、これくらいの音は異音ではなく、こういうものであるとのこと。中古車だから状態に問題があるとか、そういうことではないようです。
足回りの音については、気にならない人にはまったく気にならないと思いますが、私は神経質な人間ですので・・・
【やはり重かった】
私の所有するM6Lは11.8kgです。成人男性にとって、1~2分程度の運搬であれば大したことありませんが、例えば、東京駅での乗り換えのように5分以上持ち歩くとなると、けっこうしんどい重さです。
【5速、6速はまず使用しない】
あえて汗をかきたい場合や、とにかくスピードを出したい場合であれば、5速や6速の重いギアを使ってもいいかもしれません。しかし、日常生活として通勤の往復約20kmで走っている分には一度も5速、6速は使いません。見通しの悪い住宅街であれば3速、見通しのよい道路であっても基本的には4速で十分です。
おそらく今後も5速、6速の出番はほとんどないと思われます。
【フェンダー(泥除け)はいらない】
私は、雨の日や雨上がりに自転車は乗りません。理由は、自転車が汚れるのがイヤだからです。また、ロードバイクも乗っていますので、泥除けがあるのが逆に違和感があります。もしかすると、今後、泥除けは外してしまうかもしれません。見た目もスッキリしますし、約280gの軽量化にもなります。
雨の日に自転車に乗る方は少ないですが、雨上がりに乗る方はおりますので、この点は万人に言えるデメリットではありません。
中古ブロンプトンのまとめ
今回は、1年落ちの中古のブロンプトンを購入しましたが、身近なサイクルショップが面倒を見てくれるので、コスト面では安く購入することができました。
ブロンプトンはリセール価格も高いので、金銭的な理由で購入を悩んでいる方は、中古車を買ってみてはいかがでしょうか。リセールも考慮すれば、実質的なコスト負担は大きくないはずです。
私自身も、今回のブロンプトンの購入はリセールも考えて購入しています。実は、ブロンプトンを試乗しましたが、数分乗っただけでは正直分からないことが多過ぎます。やはり、日常生活のなかで使ってみて、そこで初めて分かることもたくさんあります。生活に溶け込むかどうかも、買ってみないと分かりませんから。
これは、ブロンプトンだけでなく、Birdyについても同じことが言えます。
誤解を与えてしまってはいけませんので、はっきり言っておりますが、別にブロンプトンを不満があるわけではありません。買ってよかったと思っています。
早くブロントンを連れて、飛行機に乗って旅に行きたいです。
ミニベロの購入を検討されている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。