さて、今回はミニベロ(小径車)の定番であるDAHON(ダホン)についてご紹介します。あまり自転車に興味がない方でも、ダホンという名前は聞いたことがあるほど有名なメーカーです。ミニベロを購入するにあたり、多くの方がダホンを一度は検討するのではないでしょうか。
そんなダホンですが、ついに2019年モデルがデビューしました。ただ、メジャーなブランドなだけあって、実に多くの種類がラインナップされています。サイズや価格の違いはもちろんですが、特に20インチの自転車については11種類ものシリーズがありとても豊富です。しかし、一方で「どれを買えばいいのか?」という悩みが生じるかと思います。
ということで、2019年からニューモデルも登場しましたので、ダホンのミニベロを比較・検討をしながら、最終的におすすめランキングを発表したいと思います。あくまで私の主観的な意見なので、参考程度にご一読いただければと思います。
目次
- 【DAHON(ダホン)とは?】
- 【2019年モデルの紹介 2018年モデルとの違いは?】
- 【14インチモデルの特徴と解説】
- 【16インチモデルの特徴と解説】
- 【20インチモデルの特徴と解説】
- 【グレードなど価格による違いは何か?】
- 【Boardwalk D7とRouteの違いは?どっちがおすすめなの?】
- 【ダホンのおすすめランキング8選】
- 【失敗しないミニベロ選びのために】
【DAHON(ダホン)とは?】
1982年にアメリカのカリフォルニアにて誕生した、35年を超える歴史あるミニベロメーカーです。世界最大の折り畳み自転車メーカーであり、お手頃価格のエントリー向けモデルからハイスペックモデルまで品揃えは豊富です。生産は台湾製ですが、一部の低価格自転車は中国製となります。ダホンのミニベロは丈夫な作りであり、他のブランドで販売されているものも、実はダホンのフレームを使用してたりもします。
【2019年モデルの紹介 2018年モデルとの違いは?】
2019年モデルのダホンですが、大きく見ると14インチ、16インチ、20インチに区分できます。この「インチ」ですが、超簡単に言うと、ホイールの直径の寸法を示します(1インチ=2.54cm)。
インチ別のミニベロのラインナップを下記の表にまとめました。
2018年 | 2019年 |
14インチ | |
Dove Plus | Dove Plus |
Dove Uno(廃止) | - |
- | Dove i3(ニューモデル) |
- | K3(ニューモデル) |
16インチ | |
Curve D7 | Curve D7 |
Presto SL(廃止) | - |
EEZZ D3(廃止) | - |
Curl i8(廃止) | - |
20インチ | |
Mu SLX | Mu SLX |
Visc EVO | Visc EVO |
Speed Falco | Speed Falco |
Ciao | Ciao |
Horize DISC | Horize DISC |
Boardwalk D7 | Boardwalk D7 |
Route | Route |
Dash Altena | Dash Altena |
Dash P8 | Dash P8 |
Horize(廃止) | - |
- | Mu D9(ニューモデル) |
- | Clinch D10(ニューモデル) |
【14インチモデルの特徴と解説】
14インチのミニベロについて、2018年は2モデルがラインナップされていましたが、2019年は3モデルに増えました。
・Dove Plus(継続モデル)
・Dovw i3(ニューモデル)
・K3(ニューモデル)
ミニベロを購入する理由はそれぞれだと思いますが、もし持ち運びを考えているのであれば、自信をもって14インチを選択することをおすすめします。
ダホンは14インチ、16インチ、20インチと3種類のサイズがありますが、ミニベロの部類であっても20インチは大きいですから、持ち運びがし易いと言えるのは14インチ、またはせいぜい16インチまでと考えてよいでしょう。
ただし、注意点として、14インチは身長142cm~180cmくらいまでを対象に設計しています。私は身長175cmですが、サドル高さを高めにしたい場合だと私くらいの身長が上限かと思います。
それでは、14インチモデルについて解説していきます。
Dove Plus(ダヴプラス)
Dove Plusはダホン最軽量モデルであり、他のメーカーと比較しても重量(6.97kg)は驚きの軽さといえます。シングルスピード、折たたみ時の寸法(W62×H56×D30)、一漕ぎあたりの走行距離など、2018年モデルと比べて特に変更点は見当たりません。カラーの種類が5種類から3種類(シルバー、ネイビー、レッド)に減りましたが、定価が78,000円(税込85,800円)から76,000円(税込83,600円)に値下げとなりました(消費税10%で記載しています)。
とにかく6.97kgという軽さが魅力ですので、頻繁に持ち運びを考えているのであればおすすめします。
走行性能ですが、14インチというコンパクトサイズのため、一般的な自転車(26インチのママチャリ)と比べると安定性に欠けると感じます。片手運転はできますが、両手離しはまずできないと思っていいです。14インチの使い道としては、せいぜい5km圏内が妥当だと思います(10km以上の距離を走るのであればおすすめできません)。2~3kmであれば気持ちよく走れます。
変速できない(ギアがない)ことについて、坂道が多いのであれば話は別ですが、主に平坦な道を走るのであれば、何らシングルスピードで問題ないと思います。14インチと小柄ではありますが、思った以上にキビキビと動いてくれます。
Dove i3 ※ニューモデル
Dove i3は、Dove Unoの後継になるであろうニューモデルといえます。見た目はあまり変わっていませんが、変速3スピードになるなど、機能性の向上が見られます。Dove Unoとの比較を下記の表にまとめました。
モデル | Dove i3 | Dove Uno |
定価(税込) | 72,600円 | 56,100円 |
変速数 | 3speed | 1speed |
重量 | 9.5kg | 8.8kg |
折畳み時寸法 | W66×H54×D38 | W63×H55×D30 |
Dove i3の特徴としては、変速3スピードであることです。あとは泥除けが付属していることくらいでしょうか。坂を上ることが多い場合などはDove i3を候補としても良いと思いますが、デメリットとしては重量が9.5kgと重いことです。持ち運び頻繁でなるべく小さいサイズで軽い自転車が欲しいと思っているのであれば、Dove i3ではなくてDove Plusの方が軽くて持ち運びに苦労しないはずです。
K3(ケースリー)※ニューモデル
14インチで最後にご紹介するのはK3です。K3は、2019年に新しく登場したモデルです。こちらも変速3スピードですので、同じく3スピードの機能を備える先ほどのDove i3との比較を下記の表にまとめてみました。
モデル | K3 | Dove i3 |
定価(税込) | 90,200円 | 72,600円 |
変速数 | 3speed | 3speed |
重量 | 7.8kg | 9.5kg |
折畳み時寸法 | W65×H59×D28 | W66×H54×D38 |
サドルとペダル との距離 |
600~860 | 540~740 |
ギア歯数 | 前53T、後9/13/17 | 前46T、後14T |
価格としては、K3の方が16,000円高いです。重量はK3の方が7.8kgと軽量なものの、折りたたみ時寸法についても奥行きが短くなったものの決定的な差は見られません。K3とDove i3の違いとしては、スポーティに乗りたいか、リラックスして乗りたいかだと思います。
表のとおり、サドルとペダルとの距離はK3の方があり、この距離があった方が、足が曲がる角度が少なく、効率的なペダリングが可能となります。また、サドルと歯数(ギアの歯の数)にも違い見られます。一般的に前の歯は多い方が、後ろの歯は少ない方がペダル1回転あたりの距離は稼げます。K3とDove i3を比較すると、前歯はK3の方が7枚も多いです。Dove i3は内装3speedなので後歯の数は一概に比較できませんが、ダホン公式サイトを見ても、K3はスタンダードスタイル向け、Dove i3はリラックススタイル向けとの表示があります。ちなみにK3について前53Tと後9Tで計算すると、ペダル1回転あたり約6.5mも進みます。(一般的な26インチのママチャリが約4.5mと言われています)。さらに、K3のトップチューブ(車体のフレーム)の下にはワイヤーを用いて、フレームの強度を保っています(ある程度スピードを出すと相応の剛性も求められます)。このようなことから、K3はDove i3に比べてよりスピードを出すことを想定して作られていることが分かります。見た目もスポーティですし、14インチにもスピードを求める方はK3一択でしょう。
【16インチモデルの特徴と解説】
16インチのミニベロについて、2018年は3モデルがラインナップされていましたが、2019年は1モデルに減りました。ダホンで16インチが欲しいのであれば、選択肢は1つしかありません。個人的には、16インチというサイズ感は好きだったので、シリーズが減ってしまったことは残念です。ただ、2018年モデルの3種のうち2種(Presto SL、EEZZ D3)は10万円超えであり、軽い気持ちでは買えないものでした。2019年モデルとして残ったCurve D7は定価71,000円と16インチでは一番安価なモデルです。私が16インチを好んでいる理由としては、14インチですとやはり走行性に限界を感じます。ホントに近所だけを走るのであれば不満はありませんが、5kmくらいの距離を頻繁に走るとなると、14インチは安定性にしても地面から伝わる衝撃にしてもおそらく不満に感じると思います。かといって、20インチのミニベロとなると、持ち運ぶには大きすぎるのです。見た目がオシャレだからという理由などでミニベロを買うのであれば20インチでも何ら問題ありませんが、例えば駐輪スペースを考慮してミニベロを買うのであれば、20インチは相当のスペースを必要としますし、車のトランクに乗せるにしても苦労すると思います。私はダホンではありませんが、過去に20インチのミニベロを所有していました。大きすぎて、車に載せることもなければ、玄関に駐輪するものならば折りたたむ手間が生じていました。毎日、折りたたむのであれば問題ありませんが、個人的にはとても面倒に感じ、屋外保管していました。しかし、14インチや16インチであれば、当たり前ですが20インチに比べて駐輪スペースを必要としませんし、車に積むときに苦労しません。見た目でなく、コンパクト性という機能を求めるのであれば、16インチが上限でないかと思っています。逆に言えば、持ち運びなどをせず、コンパクト性を求めていないのであれば、14インチや16インチは選択しない方がいいと思います。20インチに比べれば、どうしても走行性能は劣ると思っていいでしょう。
Curve D7(カーブD7)
ダホンの16インチは1種類であり、Curve D7というモデルになります。 基本的に2018年モデルと2019年モデルでは変更点はありません。変速7speed、重11.6kg、折り畳み寸法(W73×H61×D34)、ギアの歯数(前52T、後11-28T)も2018年モデルをそのまま引き継いでいます。違いがあるとすれば、色が変わったのと、変速するためのシフターがシマノSL-RS35というものかSL-TX50というものに変わりました(どちらもシマノ製ですが、シマノのなかでは底辺の商品です)。
変更点がなくつまらないという意見もあると思いますが、良く言えば、これ以上改善する余地のない完成された16インチのミニベロとも言えます。ハンドル高さの調整もできますし、ゆったり走ることも、キビキビとスピーディに走ることも可能です。もう好きなように乗ってくださいといった感じです。おさらいですが、16インチのダホンですと、Curve D7以外に選択肢はありません。ちなみに他のメーカーになりますが、16インチのミニベロといえばブロンプトンが有名です。ただし、最低でも18万円しますので、比較はしない方がいいと思います。ほかに16インチとなると、STRIDAという個性的なミニベロがあります。
【20インチモデルの特徴と解説】
それでは、ダホンの主力である20インチモデルを解説していきます。2018年モデルは10種類もありましたが、2019年モデルはなんと11種類ものラインナップとなりました。2018年モデルのうち8モデルがそのまま継承され、1モデルが廃止、そして2019年のニューモデルが2種デビューしました。 さきほども触れましたが、とにかくコンパクトなミニベロが欲しいのであれば、20インチはあまりおすすめできません。見た目がオシャレとか、持ち運びはあまり考えていないけどミニベロが欲しいという理由であれば、20インチを選択すればいいと思います。私が注意してもらいたいのは、ミニベロという枠組みに囚われて、「ミニベロだから持ち運びが楽だろう」という安易な考えはしない方がいいということです。20インチは確かに一般的な26インチや27インチに比べれば小さいです。しかし、20インチは決して持ち運びは楽ではありません。日常的に折りたたんで持ち運びすることを前提とするのであれば、20インチはやめた方がいいです(14インチや16インチを検討したほうがいいでしょう)。日常的にママチャリのように使うのであってオシャレだからミニベロが欲しいとか、頻繁に持ち運びは考えていないのであれば20インチを選択すれば良いと思います。
20インチのラインナップは豊富なので、下記の表のとおりグレードに分けてまとめてみました。
グレード | モデル名 | 価格 | 重量 | ホイールサイズ | 変速数 | 折り畳み時寸法 |
ハイ グレード |
Mu SLX | 195,000円 | 8.6kg | 406 | 11 | W77×H65×D35 |
Clinch D10 | 167,000円 | 11.3kg | 451 | 10 | W79×H66×D42 | |
Dash Altena | 128,000円 | 10.8kg | 451 | 16 | W92×H89×D36 | |
Visc EVO | 127,000円 | 10.9kg | 451 | 20 | W82×H65×D39 | |
ミドル グレード |
Horize DISC | 92,000円 | 12.0kg | 406 | 8 | W85×H68×D43 |
Dash P8 | 89,000円 | 11.0kg | 406 | 8 | W90×H95×D32 | |
Mu D9 | 88,000円 | 11.8kg | 406 | 9 | W78×H66×D35 | |
Speed Falco | 82,000円 | 12.0kg | 451 | 8 | W82×H66×D36 | |
Ciao | 76,000円 | 12.1kg | 406 | 7 | W80×H65×D37 | |
エントリー グレード |
Boardwalk D7 | 62,000円 | 12.3kg | 406 | 7 | W78×H65×D34 |
Route | 50,000円 | 12.2kg | 406 | 7 | W89×H64×D34 |
【グレードなど価格による違いは何か?】
上記の表のように、ハイグレード(10万円以上)、ミドルグレード(7~9万円台)、エントリーグレード(5~6万円台)に区分してみました。
同じミニベロであっても、例えばMu SLXとRouteの価格は実に4倍の差があります。一体何に違いがあるのでしょうか?
まずは、重量に約4kgもの差があります。物理的に、同じ力を加えたとき(ペダルに同じパワーが伝わったとき)に重量が軽いミニベロの方が加速が増すことになります(実際にはフレームの剛性なども影響します)。ミニベロに限ったことではありません(例えばロードバイクでも同じことです)が、高価な方がフレームが軽量化されており、剛性も確保されています。
次に、それぞれの部品(コンポーネント)の品質に違いがあります。例えば、ディレーラー(ギアの部分)はMu SLXについてはシマノ105が採用されています。105はロードバイクのミドルグレード(20万円~30万円台)でも使われているものであり、ギアの変速時の滑らかさ、耐久性などに信頼性があります。ロードバイクに関して言えば、大会に出場するならば「最低でも105」とよく言われるほどです。それくらい一定の信頼性があることで知られています。
はじめてミニベロの購入を検討する方にとっては、10万円以上もするなんてボッタクリじゃないかと感じてしまうかもしれませんが、きちんと高品質なフレームや部品から作られているために金額も高くなっているのです。
脅すわけではありませんが、自転車にハマっていくと、イベントに参加したりとか、山を登ったり下ったりする機会もあります。例えば、山の下りですと40km/hとか普通にでます。そんな状態で転倒(落車)したら最悪の事態になる可能性もあるのです。時速40km/h、50km/hというスピードを出すと、自転車自体にも相当な負荷がかかりますし、剛性はもちろんのこと、ブレーキ性能、安定性能なども求められます。これらを実現するためには、どうしても相応のお金がかかります。
エントリーグレードも50,000円以上しますから、決して安い買い物ではありませんが、用途としては日常生活レベルを想定していると考えていいと思います。
ミドルグレードになると、それぞれミニベロに特色が見えてきます。クロモリを採用したり、ディスクブレーキを採用したりなど、趣味としての使い道も想定されます。また、カスタムを楽しむ方もいます。
ハイグレードに関しては、コンポに105や軽量ホイールを採用するなども見られます。個人的には「もうミニベロではなくてロードバイクを買ったらいいのでは?」と思うほど贅沢なミニベロです。
それでは、20インチミニベロを個別に見ていきたいと思います。
Mu SLX(ミューSLX)
ダホンのなかで一番価格が高いモデルです。2018年モデルと比較してカラー以外に変更点はありません。変速11speed、重量8.6kg、折り畳み寸法、ギアの歯数も2018年モデルをそのまま引き継いでいます。20インチで重量8.6kgってかなり軽いです、14インチ並みに軽いです。また、ディレーラーといってギアを変えるための部品もシマノでも105という高品質なものを用いており、ホイールも軽量化されています。定価195,000円ということもあり、走行性能はかなり期待できます。しかし、20万円やそれ以上のクラスのミニベロとなると、他のメーカー(タイレルとかbirdyとかKHSとか)もしっかり比較検討してから判断すべきでしょう。
Clinch D10(クリンチD10)※ニューモデル
新しく2019年に登場したニューモデルになります。LockJawテクノロジーというトップチューブにアーレンキー(六角レンチ)の差込口があり、少し回転させることにより、フレームを畳むことが可能です。これのおかげで見た目が折りたたみ自転車っぽくないのです。また特徴として、VROステムが装備されていることによりハンドル位置の調整が可能なことが挙げられます。一般的なミニベロはハンドルの高さしか調整できませんが、VROステムにより角度なども容易に調整できます。ホイールも451と大き目なのでミニベロのなかではロングライド向けとなります。ディレーラーなどの部品もシマノTiagra(ティアグラ)を採用するなど167,000円と高価なだけにミドルクラスよりもさらに1段ランクアップしています。ただ、この価格帯となると、他のメーカーのライバル車が多いのも事実でしょう。
Dash Altena(ダッシュアルテナ)
ドロップハンドルのミニベロになります。ちなみに、Dash Altenaは一見すると折りたたみではないように見えますが、実は折りたたみができます。トップチューブにアーレンキー(六角レンチ)の差込口があり、少し回転させることにより、フレームを畳むことが可能です(前述のClinch D10と同様です)。ドロップハンドルで前傾姿勢が可能であること、ホイールが451であること、タイヤもやや細めであることから、スピード感をもってロングライドをしたい方に向いていると思います。価格も128,000円と比較的高額であるため、ライバル車と十分に比較検討しましょう。10万円代のドロップハンドルとなると、ラレー、ビアンキ、ブルーノ、ジャイアント、ジオス、マンハッタンバイク、ターンなどかなりの候補車があります。
Visc EVO(ヴィスクエボ)
Visc EVOは、ダホンのなかでは上位機種の位置づけとなります。定価127,000円と10万円を超えますが、ディレーラーなどにシマノTiagra(ティアグラ)というギリギリ中堅クラスを採用しています。そこら辺の部品をかき集めて組み立てたよく分からない格安ミニベロとはレベルが違います。フロントもギアが2枚ありますので、スポーティに乗りたいかに適していると思います。それから、同じ20インチでもVisc EVOの20インチは大きめに作られています。実は20インチには406と451(ホイールの直径)の2種類があります。当然451の方が一回転あたりの走行距離が伸びます。20インチの多くが406を採用していますが、少数派であるものの451を採用している20インチのミニベロも存在します。まさしくVisc EVOは451という大きいタイヤサイズとなります。ダホン公式サイトでもVisc EVOはオールラウンダーと称していますが、確かに全てにおいて基準を満たしているという印象です。これはメリットでもありますが、突出した個性がないという点ではデメリットでもあります。日常生活に使用するには贅沢過ぎるミニベロなので、週末にロングライドしたいとか、ミニベロで旅をしたいなどの目的がある方におすすめです。
Horize Disc(ホライズディスク)
MTB(マウンテンバイク)の雰囲気を醸し出しているように見えます。Horize DISCの特徴は、何といってもディスクブレーキとアウトドア感のある太いタイヤです。悪路や雨天時でもディスクブレーキは高い制動力を発揮してくれます。ホイールサイズは20インチの406ですが、太いタイヤを履かせているので、タイヤ径は451相当です。タイヤが太いことで、乗り味が柔らかくなり、パンクなどのリスクも軽減されます。デメリットとしては、転がり抵抗が大きくなるので、スピード性能を期待してはいけません。2018年モデルと比べて、重量が12.0kgと0.4kg軽量化されました。価格は92,000円と少し高い気もしますが、ディスクブレーキなど他のミニベロと一線を画したアクティブなミニベロが欲しい方におすすめです。
Dash P8(ダッシュP8)
Dash P8もDash Altenaと同様に、一見すると折りたたみではないように見えますが、きちんとした折り畳み自転車です。LockJawテクノロジーというトップチューブにアーレンキー(六角レンチ)の差込口があり、少し回転させることにより、フレームを畳むことが可能です。個性的なデザインのミニベロであり、剛性と安定感も備わっています。申し訳ありませんが、価格の割に機能的にはあまり目立つものがないように感じます。強いて言うなら、前側のギアを2枚にカスタムすることが可能です(標準装備で2枚付属するわけではなく、あくまで2枚にカスタムするときにギアを動かすための部品の取り付けが可能という意味です)。このミニベロのデメリットは、対象としている身長が153cm~175cmであることです。一般的な20インチのミニベロは身長190cmくらいまでを対象としていますが、Dash P8は上限が175cmという設定なので、身長が高い方は注意してください。
Mu D9(ミューD9)※ニューモデル
新しく2019年に登場したニューモデルになります。ブレーキのワイヤーがフレーム内蔵となり、見た目がスッキリしています。ダホンのなかではミドルグレードに位置付けれています。ディレーラーなどの部品にシマノではなくSRAM製を採用しています(SRAMもシマノに劣らずとても有名なメーカーです)ので、シマノ嫌いの方にはいいかもしれません。個性的なミニベロではありませんが、オールマイティな1台かと思います。タイヤが1.75インチと若干太いので、安定感があり乗りやすいミニベロです。個人的な意見ですが、せっかくニューモデルを出すのに、あまり面白くないミニベロを出してきたなと思います。私としては88,000円も出すなら個性を見せて欲しいです。ちょっと辛口な意見ですが、ミドルグレードの王道路線の間違いのないミニベロです。
Speed Falco(スピードファルコ)
私がダホンの20インチで一番おすすめなのがSpeed Falcoです。ダホンはかなり広範囲にラインナップされており、Speed Falcoは中堅クラスに位置します。確かに上位クラスのミニベロの方が機能が優れていることでしょう。ただ、費用対効果や日常生活での使用を前提として考えれば、Speed Falcoはとても魅力的なミニベロに感じます。カラーリング以外は2018年モデルと変更点はありません。Speed Falcoも20インチでも大き目サイズの451を採用していますが、このミニベロの最大の特徴はフレーム素材がクロモリであることです。ダホンに限ったことではありませんが、ミニベロの多くはアルミフレームを用いています。アルミと比べるとクロモリの方がしなりがありますので、乗り味が柔らかいです。Speed Falcoは数少ないクロモリフレームのミニベロの1つになります。また、前傾姿勢がとりやすいですし、タイヤも少し細めのため、スポーティに走れます。ガチで乗るのではなく、普段使いするけどスピードも欲しいような方にはSpeed Falcoがおすすめです。
よくSpeed FalcoとHorize Discでどちらがいいか悩む方がいますが、スピード性能を求める方はSpeed Falco、砂利道などの悪路や雨天時も乗りたいのであればHorize Discがおすすめです。
Ciao(チャオ)
ゆったりした柔らかなフォルムが、女性向けのデザインに感じます。フレームが湾曲しており、サドルに跨るときに足を大きく上げなくてよいため、乗り降りが容易です。また、ハンドルが手前に位置しているので、他のミニベロと比較して上体を起こして走行することができますので、かなりリラックスした格好で走れます。散歩のような気分でゆっくり走りたい方にはメリットかと思います。デメリットとしては、スピードを出しずらいところです。前傾姿勢に比べ、上体を起こした姿勢だと足を踏み込むような非効率的なペダリングになりがちですので、スピード感を求めるようなモデルではありません。カラーリング以外は2018年モデルと変更点はありません。
Boardwalk D7(ボードウォークD7)
Boardwalk D7は、はじめてミニベロを買うときに5万円、6万円という価格設定のなかでまず候補に挙がるミニベロかと思います。特徴としては、クロモリフレームであることです。2018年モデルと比べて、トップチューブ下にワイヤーを繋いでおり、フレームの強度が高まりました。街乗りや日常生活のために最低限なミニベロを検討されている方には費用対効果から考えておすすめできるミニベロだと思います。次にご紹介するRouteと同価格帯の設定ですので、どちらが良いのか悩む方は多いと思います(これについては後半で比較します)。
Route(ルート)
RouteもBoardwalk D7と同様に、はじめてミニベロの購入を検討するときに候補となるミニベロです。価格も5万円とエントリー向けかと思います。はじめてミニベロを買うときに何となく得体の知れないメーカーのミニベロだと品質に不安を覚え、ある程度信頼のできるミニベロ欲しくなり、ダホンの存在を知り、そして5万円という手に届きやすい価格設定であるRouteを買おうかな?という方が非常に多いと思います。特に特徴のあるミニベロではありませんが、日常生活で乗るには文句のないミニベロです。結構Routeを乗っている方をよく見かけますので、他の人とかぶります。
【Boardwalk D7とRouteの違いは?どっちがおすすめなの?】
Boardwalk D7が62,000円、Routeが50,000円という価格設定のため、どちらを購入しようか悩む方は多いと思います。個人的には見た目で選べばいいと思いますが、念のため各車のスペックを比較してみようと思います。
モデル | Boardwalk D7 | Route |
定価(税込) | 68,200円 | 55,000円 |
フレーム素材 | クロモリ | アルミ合金 |
変速数 | 7speed | 7speed |
重量 | 12.3kg | 12.2kg |
折畳み時寸法 | W78×H65×D34 | W89×H64×D34 |
サドルとペダル との距離 |
675~945 | 685~930 |
歯数 | 前52T、後12-28T | 前53T、後14-28T |
泥除け | なし | あり |
もし泥除けが欲しい方はRouteを選べばいいと思います。ちなみに私は泥除けはいりません。雨の日は乗りませんし、水たまりは避けるか減速しますので。むしろ、泥除けは邪魔に感じるくらいです。泥除けがない方が見た目がスッキリしますし、自転車が転倒などして泥除けが変形してタイヤと接触するリスクもありますから、私は泥除けは要らない派です。泥除けの有無で判断できないときは、フレームの違いに着眼してはいかがでしょうか。Boardwalk D7はクロモリフレームのため、アルミ合金(アロイ)フレームであるRouteに比べれば微々たる差であっても乗り味は快適なはずです。一般的にクロモリは乗り味が柔らかいと言われますが、デメリットとしてアルミに比べて重量が重いところがあります。しかし、Boardwalk D7とRouteの重量さはわずか100gです。ホイールに関して言えば、前輪のスポークがBoardwalk D7の方が8本少ない20本と軽いかと推測されます。
それから、ギアの歯数に少し違いが見られますが、一番重いギアを使用したときはBoardwalk D7の方がペダル1回転あたり約50cm長く走れます(Boardwalk D7:4.83m、Route:4.22m)※タイヤ外径を355mmで計算しています。また、坂を登るときを考え、一番軽いギアを比較すると、Boardwalk D7の方が少し軽いです(後輪ギアは同じですが、前輪ギアが1歯少ない分軽いです)。
シフターですが、Boardwalk D7がレバー式、Routeが回転式になりますが、性能の差はないと思っていいでしょう。
折りたたみ時の寸法はBoardwalk D7がW78×H65×D34、RouteがW89×H64×D34と差がありますが、しかし、そもそも20インチのミニベロを買う時点で「折り畳む頻度はほぼないでしょ?」って突っ込みたくなるので、折りたたみ時の寸法は判断材料にならないと感じています。
私の個人的な意見としては、泥除けがなくシンプルなデザインと、クロモリフレームという理由でBoardwalk D7を選びます。もし、見た目では決められないという方は参考にしていただければと思います。
上記のように一応性能の比較をしてみましたが、どちらかのミニベロにしても極限状態にチャレンジするような自転車ではありません。どちらにしても普段使いを想定したエントリー向けのグレードなので、直感で好きな方を選べばいいでしょう。
【ダホンのおすすめランキング8選】
サイズや価格帯など広範囲にラインナップされているダホンのミニベロですが、ここでダホンのおすすめモデルを厳選したいと思います。14インチから2モデル、16インチから1モデル、20インチから5モデルの合計8選を私の独自の視点で選びました。
14インチ 第2位 Dove Plus
圧倒的な軽さと折り畳み時寸法から、持ち運びを想定しているのであれば使い勝手は良いと感じます。Dove Plusが1位にならなかった理由としては、同じように14インチミニベロのシングルスピードとしてライバル車(ルノープラチナライト6など)が存在するからであり、スペックとしてほとんど大差がないためです。
14インチ 第1位 K3
2019年にデビューしたニューモデルということだけあって、スポーティーさが感じられます。変速3スピードであることやフロントギア(歯数)が53Tなど、ペダル1回転あたりの走行距離をなるべく長くしつつ、トップチューブ下のワイヤーでフレーム強度も保つなど、ターゲットを絞った特徴が見られます。これだけ機能が充実しているのに重量が7.8kgという軽量化を実現しています。定価は82,000円と安くはありませんが、費用対効果を考えれば納得です。K3の価格が高いと感じるのであれば、ルノーウルトラライト7トリプル(定価65,000円)を検討してみてはいかがでしょうか。
16インチ 第1位 Curve D7
2018年から特別な変更点はないものの、2019年の16インチは1モデルしかありませんので、必然的にランクインしてきます。14インチだと走行性能に不満がある、かといって20インチだと大きすぎるといった方に16インチはおすすめです。ハンドル位置の調整幅も広いですし、変速7段(11-28T)のため、ペダル1回転あたりの走行距離を計算すると2.33m~5.93mと状況に合わせた走行が可能となります。坂が多い場所には最適かと思います。
20インチ 第5位 Dash Altena
ドロップハンドルのミニベロといえば、ラレー、MASI、ブルーノ、ダホンと兄弟分のターン(Tern)なども有名ですが、折りたたみができません。折りたたみを前提とするならば、有名どころとしてはタイレル(Tyrell)、KHSなどが挙げられますが、デザインが折りたたみっぽくないミニベロとなると、タイレルかダホンのDash Altenaが候補になってくると思います。ただ、タイレルは高いです。タイレルは本当にミニベロが好きなライダーが乗っている、カスタムしているライダーが多いイメージがあります。10万円台前半で折りたたみのドロップハンドルのミニベロが欲しい方にはDash Altenaがおすすめです。
20インチ 第4位 Dash P8
いかにも折りたたみ自転車のようなデザインは苦手という方にはDash P8がおすすめです。一見すると、フォールディングバイク(折りたたみ自転車)には見えません。スタイリッシュでバーハンドルのデザインとなると、ブルーノも人気です。ライバル車は価格設定がDash P8よりも低いですが、折り畳みはできませんので、同じ価格帯のなかでは唯一無二の存在といってもよいでしょう。前歯を2枚にするためのFD(フロントディレーラー)の後付けが可能であるなどカスタムを視野に入れている方にもおすすめです。
20インチ 第3位 Boardwalk D7
現実的な話として、ミニベロに興味がある方の多くが、予算5~6万円が上限ではないでしょうか。Boardwalk D7は、スタイリッシュなデザイン、クロモリフレーム、ハンドル高さの調整ができるなど、62,000円にしては費用対効果が高いと思います。ダホンのなかではエントリーグレードの部類ですが、他のショッピングサイトで見かける格安ミニベロとは乗り味や信頼性に一線を画します。トップチューブ下のワイヤーにより2018年モデルと比較してフレーム剛性が強化されている点も嬉しいです。
20インチ 第2位 Horize Disc
エントリーグレード(RouteやBoardwalk D7)よりも遊び心というか個性的な特徴を加えたのが、第2位のHorize Discであったり、第1位のSpeed Falcoだと思います。普通のミニベロでは物足りない、他人と被るのがイヤだという方でも、Horize Discのディスクブレーキ、太めのタイヤといったアウトドア感に心奪われることでしょう。わざと悪路を走りたくなるような気持ちにさせてくれます。高級なミニベロとは言いませんが、ワクワクするような機能を備えた魅力あるミニベロだと思います。
20インチ 第1位 Speed Falco
ダホンの中での位置づけとしては、Horize Discと同様にミドルグレードのミニベロだと思います。20インチでも451という大き目のホイールを採用したり、幅の狭いタイヤにより転がり抵抗を軽減するなど、スピーディーなミニベロが欲しい方におすすめです。しかも、クロモリフレームによりスピードと乗り味のバランスも考慮した1台と言えるでしょう。通勤や通学など、時間的に余裕のない状況でミニベロをお使いになるのであれば、スピードを出しやすいSpeed Falcoは多くの方のニーズを満たしてくれるはず。もちろん、すごく高価なMu SLXの方が軽量化されていますし、加速性能等はレベルが違いますが、逆にMu SLXは休日にロングライドするような趣味を存分に楽しむような目的がないともったいないと思います。日常生活での使用がメインであり、たまには遠出をするかもしれないという想定であれば、Speed Falcoで十分に楽しめると思います。
【失敗しないミニベロ選びのために】
ミニベロを検討するときに、「折りたたみが必要なのか?」をお考えになった方がいいと思います。確かに折りたたみができた方が良いに越したことはありませんが、折りたたみができるということは、折りたたみ機構の開発やフレーム強度を確保するために試行錯誤していますので、どうしても価格は少し高めになります。また、接合部に強度を持たせるために重量も重くなりがちです。もし折りたたみにこだわらないのであれば、他メーカーの魅力的なミニベロ候補がたくさんあります。
一方で、今回はダホンに絞って比較・検討してわけですが、折りたたみができることを前提とすると、やはりダホンは外せない存在なんだと思います。例えば、自転車を車に積むかもしれないから折り畳み自転車の方がよいと考える方は多いと思います。そういった場合は、まずダホンが候補のひとつになってくるでしょう。ミニベロという大きな枠で捉えると「折りたたみができる」というのがダホンの強みであると感じます。
ダホンは価格設定が幅広いです。一番高価なMu SLXが高性能ということは分かっていますが、今回は費用対効果やライバル車の存在なども考慮し、他メーカーのライバル車も含めて果たしてダホンのミニベロが欲しいかどうかを念頭に検討しました。そうすると、第1位~第3位までの上位3種は同じ価格帯の他メーカーのミニベロを考慮してもおすすめできるミニベロです。
個人的な見解ですが、ランキングを発表させてもらいましたので、ひとつの意見として参考にしていただければと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。